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パウル・マイゼン氏とメーナートの木管

  • 執筆者の写真: 中川 康大
    中川 康大
  • 2013年6月5日
  • 読了時間: 2分

とあるオーケストラからメーナート(メナート)の木管フルートを調整する仕事をいただいた。少し調整してみると、思わず唸るいい響き。


そしてその日、たまたまパウル・マイゼン氏のマウロ・ジュリアーニの録音に出会った。


絶品・・・。


今まで聴いてきた数少ない氏の録音と同じく、紳士的な、歌心に溢れた演奏である。作品の持つさわやかな感性を、安定した技術と木管フルートの独特な響きで巧みに歌い上げている。


あまりの感動に、数日間聴き続けてしまった。


この感動をご本人に伝えたくて、とあるルートを使って紹介していただいた。奥様にメールでその旨を伝えると、「この録音は当時軽い気持ちで作った物だが、評判がよく未だに売れ続けている。」とのこと。


氏の現役時代を知っている方が羨ましい。こんな演奏を然るべき場所で聴いたら本当にロマンティックだろう。氏はメーナートを使用していたようであるが、木管フルートもそうだったのだろうか。


3月のフライブルクでのフルートフェスティヴァルにはメーナート氏も出展しており、挨拶した後何本か吹かせてもらったが抜群にいい響きであった。メーナート氏自身も素晴らしい人柄であった。



2013年10月11日 追記

先日たまたまマイゼン氏夫妻にお会いする機会に恵まれ、この感動を伝えるとともに、どんな楽器を使っていらっしゃったのか聞いてみた。その答えが驚きであった。


「確かブランネンだったと思う」


とおっしゃったのだ。呆気にとられて材質について質問することを忘れてしまった。


そのことをアドリアンさんに話したら、ブランネンも昔は木管フルートを作っていたぞ、とのこと。大混乱である。このことについてはいつかまた確認しなければ。兎にも角にも、本当に美しい響きなのだ。心から皆さんに聴いていただきたい。


 
 
 

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