内田光子のバッハ
- 中川 康大
- 2013年9月10日
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内田光子は稀有な才能を持ったピアニストである。音楽の神の使いと呼びたくなる。
音楽は何のためにあるのかと問う。少なくともはっきりしているのは、人々の生のためにあるということである。時代によって作られた目的・対象が違うということはここでは意味を成さない。今、我々ははっきりとこれらの音楽を選びとり、聴いているのだから。
たまたま内田のバッハの演奏を見つけた。ミュンヘンでのコンサートのアンコールとしての演奏である。
この演奏に言葉など要らない。ただ聴くのみ。その音楽の「語り」の一言ひとことが、聴く者それぞれの心に「本当」を届けてくれるだろう。
いつか内田がこの曲を録音してくれたなら、それを聴きながら、冬の雪が降った次の日の晴れた朝の静けさの中を散歩したい。
フランス組曲はバッハのケーテン時代の作品である。
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